こんにちは、やずや式少数盛栄塾で編集長をしております、妹尾満隆(セノオミチタカ)です。

この記事では、NPS(ネットプロモータースコア)について解説させて頂きます。

※以下の文章では、全てNPSという言葉で統一します。

あなたがこの記事を読み終わったときにどの様な気持ちになっているのか?

というのを先に想像して、分かりやすく実践的に解説をしていきます。

NPS(ネットプロモータースコアとは)

顧客があなたの会社に対して、どれくらいのロイヤルティ(愛着や信頼)があるのかを測る指標の事を言います。

定義は

「0〜10点で表すとして、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を友人や同僚に薦める可能性はどれくらいありますか?」

引用:ネットプロモーター経営

となります。

ですので、あなたの会社を他の人にどれくらい薦めたいのかを、0〜10点の間で点数をつけてもらい点数が高ければ高いほどロイヤルティが高いという事なのです。

ロイヤルカスタマーの重要性

ロイヤルカスタマーとは、この記事の中での推奨者(プロモーター)と同じ意味になります。

マーケティングのプロである西野博道の言葉を借りれば、『優良顧客』とも表現できます。

プロモーターについてはこのあと詳しく解説します。

このロイヤルカスタマーの重要性は、『会社の売上を構成する80%は20%のロイヤルカスタマーからもたらされるもの』だという事です。

要するに、あなたの会社にどれだけロイヤルカスタマーがいるのかが重要な指標になってくるのです。

ここは重要な部分なので、立ち止まって詳しく解説します。

まず、顧客は商品を購入するときに、2つの心理で購入します。

1、行動ロイヤルティとは

まず1つ目は行動ロイヤルティです。

行動ロイヤルティとは、その商品やサービスを使いたいと思ったときに比較する事が出来ず、他に選択肢がないから仕方なくその会社のサービスを使ってる状態です。

例えば、あなたの家が山の中にあって近くにコンビニが一軒だけ空いてるとします。

でも営業時間は9:00〜16:00だった場合非常に利便性が悪いですが、他に近くのコンビニがないので仕方なくそこを使ってるような状態です。

そのような状態でもし、近くに24時間空いてるコンビニがオープンすればあなたはそちらを使うようになるのは、イメージしやすいと思います。

他にも、同じような製品やサービスがあったとすれば安い方になびいてしまう状態もあります。

要するに、仕方なく使っていたり値段だけで選ばれていたりして、もので繋がってる状態のことです。

2、心理ロイヤルティとは

心理ロイヤルティとは、あなたの会社の商品やサービスを自分自身が納得して愛用しその会社に対して、忠誠心や愛情を持ってる状態です。

この場合は、会社と繋がってるのは『仕方なく』や『値段が安いから』とかではありません。

あなたの会社や、会社の商品の事を心から好きなのです。

そして、それは比較さえもされなくなります。

例えば、周りの人から性能や、品質についてどれだけ他者のスマートフォンを選ぶメリットを伝えられても、あなたはほとんど考えることもなくアイフォンを選ぶでしょう。

これがあなたがアップルに持ってる心理ロイヤルティなのです。

NPSのスコアを細分化して見てみよう

このスコアを細分化すると3つのセグメントに分ける事ができます。

それぞれのセグメントを見てみましょう。

NPS(ネットプロモータースコア)の指標

推奨者

推奨者とは、9点か10点の点数をつけた顧客で、あなたの会社に対するロイヤルティが高い顧客になります。

この顧客の特徴はあなたの会社の製品、サービスのファンであり自分自身が愛用し大のお気に入りです。

更に周りの人に好意的な話をしてくれるのが特徴です。

中立者

7点か8点をつけた人になります。

こちらはそのままで、自分が支払った分の見返りは得ているが、それ以上ではないと思ってる顧客になります。

周りの人に薦めることもなく、基本的には会社というよりも製品で繋がっている状態です。

ですので、他に同じ様な製品やサービスが出てきた場合にはそちらの方が安価であればそちらに移ってしまう可能性が高いです。

批判者

批判者は0〜6点をつけた顧客で、その企業との製品やサービス共に愉快ではなかったと感じてる顧客になります。

このセグメントの顧客は、推奨者と反対で企業に対しての悪口をいうのが特徴です。

しかし、会社側は顧客が失望した根本原因を批判者との会話の中から明らかにし、それを改善する努力をしないといけません。

この様に、点数によって顧客のロイヤルティを測る事が出来ます。

このロイヤルティは高いに越したことはありません。

特にこれからの時代はこのロイヤルティの考えない会社は淘汰されていってしまうでしょう。

企業が目指すべき方向と顧客が求めるニーズは違う

どの企業も全て、利益をあげる事が最優先にやるべき事です。

しかし、まず重要なのは『顧客に対して期待以上の満足を届けた状態』で利益を上げることです。

それを踏まえた上でNPSをベースにした、『正しい考えの企業』と『間違った考えの企業』を比較してみましょう。

まず正しい考えの企業は、製品やサービスが顧客に届いた時点がスタートだと考えます。

それは『顧客と長く寄り添っていく』という考えが根底にあり、顧客の成功や豊かさに標準を当てているからです。

分かりやすいのは、スターバックスではないでしょうか?

コーヒーはもちろん美味しいですが、コーヒーだけではなくバリスタの接客、細かな部分までの配慮、自分の事を1人の顧客として接してくれる対応、などが知らず知らずのうちにロイヤルティを高めまた行きたいという気持ちにさせてくれます。

その反面、間違った考えの企業を見てみましょう。

まずこれらの企業の特徴に、製品が売れた時点でゴールだと認識する傾向があります。

製品が売れた時点でゴールなので、それ以降顧客に対して特に何も接点を持つ工夫などはありません。

売ったらそれで終わりなので、いかに大量に物を売るかが勝負になるのです。

もちろんその様な価値観を持ってる会社は、サービスが雑になりまた行きたい、また製品を使いたい、などの気持ちになることはあまりありません。

もし、あなたが不当な扱いを受けていたり、無視されたり、強制されたと感じたらそれは会社が本当に企業努力によって得られた利益ではなく、悪しき利益だと考えられますよね。

短期的利益か長期的利益か

大量に商品を売るというのが、ゴールになってる会社は短期的には利益を出す事が出来ます。

極端に誇張した表現、顧客を欺く小さな注意書きなどがそれに当たるでしょう。

『初回は500円ですが、最低4回の購入が必須です』と小さく書かれてるなどですね。

顧客は期待感を胸に秘めて商品を購入します。

しかし、誇張をそのまま鵜呑みにして購入していたり、縛りがある事が分かりにくく、その事について電話したらたらい回しにされたり、解約出来ませんの一点張りだったら顧客はどう思うでしょうか?

『4回を無理やり購入させておいて、あとは知りませんという酷い対応をする会社だ。』

というのを感じてしまうのではないでしょうか。

短期的な利益を目指している企業は、会社側に主導権があります。

ひと昔前まではこのやり方でも良かったのですが、テクノロジーが進み口コミサイトなどオープンプラットフォームが出てきた事で今の時代では、このやり方を続けていればいずれ顧客に見放されてしまいますよね。

今の時代は顧客に主導権があります。

長期的な利益を生み出す会社はこの事に気が付いてます。

顧客の求めるサービスをいち早く察知し、それを形にする事に優れている会社です。

要するに、顧客に対して透明性があり、顧客とのリレーションシップで対話をしながら成長している会社になります。

この様な会社は、顧客に寄り添い一緒に成長する事が目的の為、そもそも短期的な利益が目的ではありません。

様々な部分を改善しながら、『顧客がどうすれば自社の商品やサービスを通してより良い方向に進めるか』が重要課題だからです。

顧客満足度とNPSの違い

上記の事を踏まえて、顧客満足度とNPSの違いを解説していきます。

まず、2つの言葉はよく似ています。

しかし、この2つは短期的な顧客満足なのか、ブランドを見ての満足なのかを測るという大きな違いがあります。

まずこの『顧客満足度』というのはその通り満足度を表す指数になります。

この満足度とは、曖昧な表現であって満足したからといって、また同じ会社から購入するとは限りません。

つまり再購入や購入金額の増加に繋がらないのです。

どちらかというと、その時は満足したけど同じ満足感であればどの会社でも良いという事になります。

例えば、顧客満足度を上げる方法として大幅な値下げや無料プレゼントがありますが、この手法を使えば顧客満足度は上がるでしょう。

ですが、これを辞めた途端に顧客満足度は低下しますし、値下げやプレゼントでしか反応しない顧客ばかりが集まってしまい本来のNPSの向上にも貢献はしにくいのです。

単発だけの満足だけでも良さそうな気がしますが、それはまだ製品で繋がってるという事にしかならないのです。

顧客満足度と言う数値は、その時の瞬間の気持ちを数値かしたものと捉えるようにしましょう。

ロイヤルカスタマーを増やし批判者を減らす重要性

ではここからは、3つのセグメントから得られるものを見ていきましょう。

顧客はあなたの会社から商品を買ってくれるだけではありません。

推奨者(プロモーター)から得られる効果

プロモーターの特徴は記事前半で説明しました。

ではそのプロモーターを増やす事で得られるメリットを見ていきましょう。

まずプロモーターの役割は商品を継続的に購入してくれる事と同時に、同じ属性の顧客に口コミで紹介してくれる事です。

同じ属性とは、どういうことかと言いますと、ママ友をイメージして頂けると分かりやすいと思います。

ここで覚えておいて欲しいのは、紹介顧客自身も経済性が同じくらいの傾向があるという事です。

ママ友の周りには、同じ様なママ友がいる事が想像できますよね。

そしてそのコミュニティの中で、紹介してくれるのがプロモーターなのです。

ここではプロモーターが口コミで紹介をしてくれるので、広告費は一切かかりません。

言い換えると、アンバサダーとも言えるでしょう。

このプロモーターは、結局あなたの会社のマーケティングを影で支えてくれる顧客なのです。

ですので、広告費をかけない分このプロモーターには手厚くサポートし、特別感を感じてもらえる様な施策を取り、会社の商品を愛用して頂くことが重要になります。

このようなことから、推奨者のLTV(ライフタイムバリュー)は批判者のLTVと比べて圧倒的に高くなります。

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これはCRMで見ても同じことが言えます。

CRMシステムで新規顧客、優良顧客、離脱顧客を管理 回数が増えるごとに顧客は優良顧客になる表

新規顧客は会社との付き合い期間が短いので、基本的にロイヤルティは低くなります。

しかし、リレーションシップを継続的に構築して行くことによって2,3,4回目というような形で商品が購入され、それ回数が増えれば増えるほど会社との接触回数が増え、ロイヤルティの向上に繋がります。

購入金額、購入回数、直近の購入日と顧客ロイヤルティには相関関係があるのです。

中立者の考え方

中立者はあなたの会社の事はそこまで深く意識していません。

ですので、更に好条件のライバル会社が出てくるまではあなたの会社のサービスや製品を使い続けてくれます。

この状態での関係性はもちろん脆弱で、惰性で繋がってる状態なのですぐにスイッチングされてしまいます。

しかし、あなたの会社の製品やサービスは利用しているので、しっかりとサポートをする事によってあなたの会社のファンになってくれます。

そして中立者からプロモーターに変化させる事が重要です。

中立者はプロモーターの潜在層と理解し、会社に協力して貰えるような施策をしないといけません。

批判者の考え方

否定的な口コミを細分化していくと、批判者からの口コミであることが分かります。

批判的な口コミは、すくならからず肯定的なコメントを帳消しにしてしまいます。

一定数の批判者がいることは仕方のないことですが、悪い口コミの割合が多い場合は、顧客とのリレーションシップ構築が上手くいってない可能性があります。

リレーションシップの重要性について見てみましょう。

CRM(カスタマーリレーションシップ)の経済効果

会社と顧客の心の距離が離れてしまうと、ロイヤルティは低下します。

顧客との良好なリレーションシップをタダで構築出来るのであれば、ほとんどの企業がそれを求めるでしょう。

しかし、質の高いリレーションシップを構築するには何かしらのコストがかかります。それは、製品の価値の届け方(DM,ダイレクトメール)、サービス(コールセンター)、人材(接客の対応)などの投資コストが必要になります。

これは一見して、表面に見える売上や利益に繋がらないと思われがちですが、そうではありません。

かかるコストが大きく見えるので、削減したくなる部分ではありますが

コストがいくらになるのかということだけではなく、その結果として得られる恩恵がどれくらい大きいか、という視点で判断しなければなりません。

DMやメールが届かないとあなたの会社を忘れてしまうでしょう。

その時にかかるDM製作時間や製造、メールの文章作成時間はコストになります。ですがリレーションシップを構築するというのは、一朝一夕で手に入るものではなく継続していくことによってのみ醸成されるのです。

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顧客のNPS向上に繋がる従業員のNPS

従業員に対して、NPSの重要性を力説してもそもそもその場で働いてる従業員のNPSが低ければ、顧客にも会社の商品やサービスの魅力を伝えることは出来ませんし、何よりやる気のない従業員はパフォーマンスを発揮出来ません。

積極的にやる気を持って取り組む従業員は、会社に対してプラスの方向に生産性を向上させ、周りにも良い影響を与えてくれます。

しっかりとした顧客サポートを実現するためには、まずは従業員達に『ここは素晴らしい職場だ』と感じて貰わないことには始まらないのです。

まだまだ従業員自身が、『この会社は素晴らしい会社で推奨したい』というスコアが低い会社も多いかもしれません。

しかし、この従業員のNPSを向上させることによって、より多くの顧客のNPSを向上させることが出来るのであれば、『従業員のNPSの向上に力を入れない』という選択肢はありませんよね。

まとめ

顧客志向の文化を取り入れるというのはとても難しい事です。

最初からこれが正しいとされていれば問題ありませんが、日本は製造業で国が豊かになってきた背景があり、そのやり方を惰性で続けてしまっているのではないかなぁと思っています。

今までのやり方で上手くやってこれたのだから、今後も変わらずこの方法で行くという言い分もありますが、それでは現状維持すらも出来ないと考えています。

いつの時代も求められているものは、同じものとは限りませんが現段階で、間違いなく言えるのは顧客とのリレーションシップの重要性に気が付いてる会社が成長していると言う事です。

NPS向上をサポートするオススメのツール

あなたが顧客とのリレーションシップの重要性に気が付いたのであれば、私からオススメのツールを紹介させて頂きます。

これは西野博道が作ったシステムであり、ダイレクトマーケティングでは外すことの出来ない顧客との1対1の関係を構築出来るツールになります。

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