こんにちは、やずや式少数盛栄塾で編集長をしております妹尾満隆(せのおみちたか)です。

この記事では、4P分析と4C分析についての違いと、4C分析の考え方について解説をしていきます。

まずはそれぞれの概要を解説した後に、違いを説明していきますね。

企業側目線の4P分析

まず4P分析とは、結構古いですが1960年にアメリカの学者、エドモンド・マッカーシーが提唱したマーケティング理論です。

4P分析とは、4つのPの頭文字をとった用語でありそれは下記になります。

・製品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・販促(Promotion)

要するに、どんな製品を、いくらの価格で、どんな流通網で、どのように販売促進を行うのか?

というのを 『企業側の視点』 で、考える戦略の部分になります。

詳細はこちらの記事にまとめてありますので、深く学びたい方はご覧くださいませ。

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4C分析とは

では4C分析について解説します。

4P分析は1960年代の理論だったので、ちょっとそれは古い考え方だよね、ということで1980年代に経済学者であったロバート・ラウターボーンという方が4Cを提唱しました。

まずこちらも4つのCの頭文字をくっつけたもので、その4つは下記になります。

・顧客価値(Customer Value)
・経費(Cost)
・顧客利便性(Convenience)
・コミュニケーション(Communication)

要するに、『顧客はどのような価値を受け取るのか』『顧客が支払う経費はどれくらいなのか』『顧客は利用しやすい状況であるか』『企業と顧客のコミュニケーションは正しく取れてるのか』というように全て『 顧客視点』 なのです。

それではそれぞれを詳しく解説していきましょう。

・顧客価値(Customer Value)

4Pのプロダクト(製品)に当たる部分になります。

顧客価値とは、製品を渡すと言う部分で止まりません。

その製品を手にしてからが始まりであり、その製品を手にすることによってどのような価値を感じてもらうのかを考えることが重要です。

要するに、機能面ではなく心や気持ちに訴えかける「ベネフィット」を考える事とも言えるでしょう。

特に昨今は似たり寄ったりの商品やサービスがあふれていますので、選ばれる会社になるためには、どのような顧客がターゲットでその顧客が抱える問題や課題をどうやって解決してあげられるかを考えなければなりません。

・経費(Cost)

4Pでの価格(プライス)に当たる部分になります。

商品やサービスに支払うコスト(値段)はそれだけに払うという訳ではありません。

例えば、コンビニで頼むコーヒーとスターバックスで頼むコーヒーの値段は、約3倍の違いがあります。

ではなぜ、人々はスターバックスでコーヒーを飲むのかと言うと、コーヒーの香り、ゆったりと流れる時間、心を落ち着かせる音楽、専門知識が豊富で人当たりが良いバリスタとの会話、などなどこれらにお金を払っているのです。

要するに、製品だけで値段を比較するのではなく、その製品(サービス)に付随する全てのものが顧客の納得できるコストであるかどうかなのです。

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・顧客利便性(Convenience)

4Pでの流通(Place)に当たる部分になります。

顧客の利便性を考え、購入するまでの流れが正しく機能してるのか、というのを考えなければなりません。

例えば、現在は2020年の8月なのですが新型コロナウイルスの影響で、人々が密になる代表的な場所である『実店舗』へ行くという行為に引き目を感じてる方が増えています。

顧客の利便性を考えると、実店舗だけで販売するのではなく顧客が手にしやすい購入手段を考え、オンラインを取り入れたり、カード決済、QRコード決済を導入するなどを考えることを言います。

・コミュニケーション(Communication)

4Pでの販促(Promotion)に当たる部分になります。

企業と顧客の関係性を言います。4Pの販促のように企業側からの一方的なプロモーションだけでは、顧客との関係性を作ることが出来ません。

お金や数の量で勝負するのではなく、ネットやSNS、動画を使い顧客にとって必要な情報を提供したり、丁寧なコミュニケーションをすることで顧客との関係性を構築することを考えることを言います。

これはCRMの考え方と共通する部分が多いのも特徴です。

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4P分析と4C分析の違い

要約すると 『企業側の視点』 か『 顧客視点』 の違いになるのですが、ただ単にその違いだけで終わらせるわけにはいきません。

まずこの2つのマーケティングの考え方の違いは、時代とともにそうせざる追えなくなったと言えるでしょう。

4Pが通用してた時代というのは、物資が不足しており物を作れば売れる状態です。ですのでどちらかと言うと、作り手が有利な状態だったのです。

しかし、物資がある程度行き渡り、似たような商品を作れるライバル会社がどんどんと、その業界に参入してくることによって自分たちが作りたい商品を作れば売れると言う構図は通用しなくなったわけです。

そんな時に、導き出されたのが4Cの考え方です。

4Cの考え方は顧客視点の考え方なので、顧客の意見を反映させて商品を作り、顧客の行動を見ながら販売促進を行なっていきます。

要するに、これまでは企業側が一方通行的に、商品を提供してたのがネットやSNSの発達に伴って顧客が「比較」出来るようになったことで、自分たちの好きなようにやってても勝つことが出来なくなったのですね。

そのため、マーケティングにおいても顧客視点を基本とする考え方が、定着するようになったと言うわけなのです。

まとめ

4P分析が古いやり方だと言って、完全にそれを外してしまったら軸のないマーケティングになってしまうでしょう。

しかし、4P分析だけのマーケティングに頼ってても、実際に売り出したら全然売れなかったと言う事もありえます。

ですので、4P分析は自社内の大きな流れとして捉え、自社と世間との認識に大きな違いがないのかを確認するために、4C分析でサポートするのが1番良いのではないかと思っています。

4P分析は『こうしたい!』

4C分析は『こうあるべき!』

と考えると分かりやすいでしょう。

どちらにしても、これからの会社は間違いなく顧客の声に耳を傾け、顧客に寄り添った会社でないと生き残ってはいけないのです。